久しぶりにホテルに泊まりました。久しぶりついでに、夜のテレビを観ました。
情熱大陸という番組でした。静岡県立がんセンターに在籍する執刀医の日常と仕事。
60代と70代の男性患者の膵臓がん、患部を切り取るまでというギリギリの挑戦を追うドキュメント。
50代後半の医師の人生は「他人の命」を救うことに、彼のそのほとんどの時間を費やされていました。
ホテルに泊まったその日は、子どもたちがキッザニアで手術を疑似体験した日でもありました。
彼らが人の命を救う仕事を体験している間、父親の末田はというと「様々な混合注射」の無菌製剤について習得しておりました。食べなくても生きられる高カロリー輸液の調整法について理解を深めていました。命の救い方について考えていました。
「救う側も救われないといけないんだ」
救うべき命、生きるということ、自然死の尊さ、人間という存在、科学技術の暴走。
医療の矛盾について、人生の矛盾について、神戸の夜空に問い続けた、貴重な無言の時間でした。