今回の展示会で最大の功労賞は、ふたりの母だと思います。
71歳の実母と69歳の義母、学芸員の資格も調理師の資格もありません。
それなのに、会場で静かにたたずみ、茶粥でもてなす行為を、粛々と演じてくれています。僕の細かな指示にも文句ひとつ言わず従い、漢茶のブレンドも工夫してこなせるまで勉強しました。
役所の事務畑ばかり歩んできた実母、テーラーの経営から貸衣装店長までこなしていた義母。どちらも職業婦人ではありましたが、カフェギャラリーの運営は初めての経験です。
それどころか、二人の母が仲良く仕事できるなんて、こんなことを言うと叱られそうですが、思ってもみませんでした。いつもの準備不足、末田芳裕の得意な無茶ぶりでした。
掃除から水やりまで、休むことも忘れ続けてくれる二人の女性。
支えてくれる人々に、感謝の気持ちがもてない人間はいません。
大切なふたりの女性に、人が集まる「気持ちを伝えるカフェ」のつくり方を、僕は学んでいます。