午前中の仕事の段取りを済ませ、半年ぶりの薬膳料理教室へ出発。
横野から高倉を抜け、峠道へ向いました。
滝尾までのワインディングは、ロータスがたのしませてくれます。
途中、亡き父のアトリエ跡へ立ち寄りました。
加茂川を北上していくと、時間の流れがゆっくり変わっていきます。
阿波はまだ、桜満開でした。
3人の男性と協力スタッフが、たったひとりのお客様をもてなす時間。
県北の無農薬な食材を使い、手間ひまかけていただく昼食。
深呼吸して、僕は利休の侘び茶を想いました。
僕が生まれてここまで成長するまでの間、いったい何頭の牛が殺されてきたのでしょう?豚が殺されてきたのでしょう?鳥に孵るべき卵を生け贄として、これまでどれほどたべてきたのでしょう。人である以上、弱肉強食から逃れられる人はいません。そうであるなら、誰もが罪を犯し、逃れられない十字架を背負って、生き長らえているとも言えます。
だから、せめて、僕たちは腹八分目で生きたいと思います。残される命を少しでも生かし切り、死んで逝く命はすべて有り難くいただく作法。
これがこの国の文化「詫びる」ということだと、僕は美味しい料理をいただきながら考えていました。